歌詞解説のLyricsonic リリックソニック

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David Bowie " 5 years "

岡林信康さんの回絶滅ソングで鼻白んだ方。岡林一流のブラックジョークで、

私は笑ってしまったが、人類絶滅の歌はもうひとつある。

  

 

 

文字で書ききれないようなことが起きているとき、

支えになるのはデヴィッド・ボウイの歌だ。 

いったん夢の中に飛んでそこから地球を見返すような

そんな歌ばかり書いていた。

あくまでよくできたフィクションなので、そういうつもりで読んでください。 

Pushing through the market square
いつもの市場ひろばをニュースが駆け巡った
So many mothers sighing
主婦たちがみんなため息をつく
News had just come over
大ニュースが届いたばかり
We had five years left to cry in
我々人類には泣いてもあがいてもあとわずか五年しか残されていないという
News guy wept and told us
ニュースショーのイケメンが涙をぬぐい告げる
Earth was really dying
「地球がほんとうに死にかけているのです」
Cried so much his face was wet
あんまり長く泣いたのでその顔は涙に濡れ
Then I knew he was not lying
それで僕は嘘ではないと悟った
I heard telephones, opera house, favourite melodies
僕は電話のベルの音、オペラハウスの音、自分の好きなメロディーを聴き
I saw boys, toys, electric irons and TVs
僕は子供たちや玩具、ショーウインドウの電気アイロンやテレビを見た
My brain hurt like a warehouse, it had no room to spare
僕の頭は考えであふれ痛くなりもう何も受け入れられなくなり
I had to cram so many things to store everything in there
本当ならもっと沢山のことあらゆることをそこには詰め込みたかったのに

And all the fat, skinny people
すべての太った人、痩せた人とも知り合いたかったし
And all the tall, short people
背の高い人から低い人までみんなと知り合いたかった
And all the nobody people
何とも形容できない人とも出会いたかったし
And all the somebody people
いっぱしの人のように見える人にも出会いたかった
I never thought I'd need so many people
こんなに大勢の人を必要としていただなんて思ってなかった


www.youtube.com


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A girl my age went off her head
僕と同い年くらいの女の子が髪を乱しながら
Hit some tiny children
痩せた小さな子供たちを叩いていた
If the Black hadn't have pulled her off
もし黒人が途中で止めなかったら
I think she would have killed them
彼女は子供たちを殺しちゃったかもしれない
A soldier with a broken arm
腕の骨が折れて包帯を巻いた兵士が
Fixed his stare to the wheels of a Cadillac
キャデラックの車輪をじっと見つめてる
A cop knelt and kissed the feet of a priest
警官は跪いて神父さんの膝頭にキスをして
And a queer threw up at the sight of that
その光景を見たホモの人が嫌そうにもどす仕草をした

I think I saw you in an ice-cream parlour
僕はあなたがアイスクリーム屋さんの中にいると一瞬見えた
Drinking milkshakes cold and long
長いコップの冷えたミルクシェイクを飲んでいる幻
Smiling and waving and looking so fine
微笑み手を振ったあなたがとっても綺麗に見え
Don't think you knew you were in this song
あなたはまさか今 僕があなたのこと歌っているとは夢にも思わない

And it was cold and it rained, so I felt like an actor
外は寒く雨が降りつづき 僕はまるで映画の主人公になった気分
And I thought of Ma and I wanted to get back there
そして僕はお母さんを不意におもいだし 帰りたくなった
Your face, your race
母さんの顔、人種
The way that you talk
話し方 みんな好きで
I kiss you, you're beautiful
キスしたい 母さんはほんとに美しいから
I want you to walk
僕は母さんと歩いていきたい

We've got five years, stuck on my eyes
あと五年しかない 活字が目に焼き付いた
Five years, what a surprise
あと五年しかない なんということ
We've got five years, my brain hurts a lot
あと五年 僕の頭は大分いかれてる
Five years, that's all we've got
あと五年 僕らに残されたのはそれだけ

 

人類が絶滅する事より、終わりが見えて急に人が愛おしくなり、お母さんに会いたくなり、という、愛についての歌だと思う。優しい旋律で好きな歌。

 

ジギー・スターダスト

ジギー・スターダスト