夕陽を見ながら歩いていた。
ぼんやり、日本代表のことを考えていた。
(あのキック、左だったら)
そうすると、ラジオでこの曲がかかった。
後悔先に立たず。
新しく始めようという爽やかな気持ちになった。
フリオは元サッカー選手で、80年代日本でもおばさんに人気があった。
When they begin the beguine,
It brings back the sound of music so tender,
It brings back the night of tropical splendour,
It brings back a memory evergreen!
ビギン(マルチニックのダンスの一種)の演奏が始まると
あんなにも優しかった楽器の調べが心によみがえる
光まばゆい熱帯の町の夜がよみがえってくる
まったく色あせない記憶が まざまざとよみがえる
ペナルティーキックを外した南野選手は、にわかファンは分からなかったかもしれないが、W杯予選では紛れもない中心人物、得点も多く、立役者の一人。本戦ドイツ戦でも、二点目はほぼ得点と言っていいナイスアシストをしてくれた人。
ああいう瞬間も、人生の大事な一瞬のひとつだと思う。
これは彼の飛躍のきっかけだ。
「始まりを始めよう」。さあまた歩き始めよう。