歌詞解説のLyricsonic リリックソニック

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Mr.Children "Brand New Planet" の歌詞を解説

ようやく届けられた新曲。

コロナについての歌を製作中という話を聴いていたが、

ドラマの主題歌として不意に耳にはいってきた。

「離陸」、「死」、「星空」、そんなキーワードが浮かぶ。

歌詞を見てみよう。


Mr.Children 「Brand new planet」 from “MINE”

 

立ち止まったら そこで何か 終わってしまうって走り続けた

でも歩道橋の上 きらめく星星は 宇宙の大きさで それを笑ってた

 

静かに葬ろうとした 憧れを解放したい

消えかけの可能星(性)を 見つけにいこう

何処かでまた迷うだろう

でも今なら遅くはない

新しい「欲しい」まで もうすぐ

 

この手で飼い殺した 憧れを解放したい

消えかけの可能星を 見つけにいこう

 

星を探しに行く話。宇宙船で?子供時代の憧れ。それは年を重ねる中で、

あるわけないさと胸の奥にしまいこまれた。

 

先日野口飛行士の宇宙ステーション到達が報じられたばかり。

ここで思い出すのは、先日偶然僕が読んだ、あるエピソード

野口飛行士を乗せた宇宙船を作った起業家は、ほんとうに

火星旅行を夢見て、ロケットの事業をはじめたというのだ。

 

そんな町の話題をちらつかせて、歌はすすんでゆく。

 

「遠い町で暮らしたら 違う僕に会えるかな」

頭を掠める現実逃避

さあ叫べレスポール(注:ギターの一種類)よ

いじけた思考を砕け

新しい「欲しい(星)」まで もうすぐ

 

今の場所を逃げ出したくなる自分がいる。

そんなひとが多いはず

でもそこでギターの響きとともに

あの離陸してゆく飛行機のように

新しく自分の想いを離陸させられないか。

一枚皮を脱ぎ捨てて

加速して

 

さようならを告げる詩 この世に捧げながら

絡みつく 憂鬱に キスをしよう

何処かできっと待ってる

その惑星が僕を待ってる

新しい星まで もうすぐ

 

この部分で、ファンが凍りつく

死の願望、死への希求、予告、遺書、あるいは誰かの・・・

宇宙に旅立つことは、死にも似ている

この世に別れを告げる

それは文字通り、永久の旅立ちなのか

本当に、いまこの時期、大勢の方が亡くなり、

また重篤な状態の方も多い。

コロナの歌は、深刻なものにしかなれない。

 

この部分はいくつでも解釈の仕方はあるだろう。

そのどれも正しいのだろう。

死さえも、肯定的に捉えたいときがある。

死だってきっと、終わりではない。

それは何処かの星への新たな旅なのかもしれない。

人が星になるのは本当かもしれない

親しい人を亡くされた方に、語るように。

死さえも包摂して、そこで前を向く。

 

前向きの気持ちを歌う。

消えかけの可能星を見つけにいこう

今なら遅くない

新しい星 に「欲しい」という言葉が

掛けられている意味はなにか。

それは、欲しい気持ち、欲望が生まれれば、

それは生きることにつながることだから。

新しい「欲しい」がみつかれば

生きる希望がわいてくるから。

 

ドラマというのは偶然チャンネルを合わせたのだが、

面白く見ていた。

罪を犯した若者が再出発するストーリーで

歌とよく合っていた。