Mr.Children「Documentary film」MUSIC VIDEO
誰の目にも触れない ドキュメンタリーフィルムを
今日も独り回し続ける
そこにある光のまま きっと隠し切れない僕の心を
映し出すだろう
ニューアルバム「Soundtracks」からの紅白演奏曲。
ドラマや映画の主題歌もある中で、とりわけこの曲を、本人たちが推している。
なぜだろう。
「Brand New Planet」の解説で少し触れたけれども、ミスチルがコロナの歌を歌うと言う噂があった。この曲を聴いて、これもまた、もうひとつのコロナの歌だと知った。
コロナの日々、みな外出を自粛したりして、毎日が職場と家のまっすぐの往復、あるいは自宅の勤務で外に出るのは一日一回の散歩だけ、と言うふうに、
毎日がおんなじプログラム、きっちりおんなじ事の繰り返しになりがち。
実は筆者もそうだ。
すると毎日、目にする光景は寸分たがわず、昨日と同じ。
毎日毎日、おなじ道筋の繰り返し。
見る光景も繰り返しだ。
ところがそうしていると、毎日すこしづつ、風景のほうが変わっている。
木の葉の具合、花の咲き方、そして夕日の沈み方。
それはまるで、本当に、誰も見ないドキュメンタリーを、
毎日自分の目で、撮影しているみたいなんだ。
今日は何もなかった
特別なことは何も
いつもと同じ道を通って
同じドアを開けて
昨日は少し笑った
その跡ですこし寂しくなった
君の笑顔に後幾つ逢えるだろう
そんなこと ふと思って
[Brand New Planet」にも死への言及があるが、
この歌にもある。
君に逢えなくなることが 起こりえるかも。
あるときは悲しみが
多くのものを奪い取っても
次のシーンを笑って迎えるための
演出だって思えばいい
枯れた花びらがテーブルを汚して
あらゆるものに「終わり」があることを
リアルに切り取ってしまうけど
そこに紛れもない命が宿ってるから
君と見ていた
50代のミスチルらしく、よく練られた歌詞。
コロナの時代に考える人たちに、
ぜひ聴いてもらいたい。
愛おしい命が