歌詞解説のLyricsonic リリックソニック

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Marvin Gaye "What's going on" (1971) 

誰でも耳にしたことがあるソウルで一番有名な曲のひとつだが、

歌詞がこれほど深刻な内容だと知っていただろうか。

ベトナム戦争を歌っていると言われているが・・・


Marvin Gaye - What's Going On


Mother, mother
There's too many of you crying
Brother, brother, brother
There's far too many of you dying
大勢の母親たち
大勢のの母親たちが泣いている
兄弟たち
あまりにも多くの兄弟たちが戦争で死んでいく
 
You know we've got to find a way
To bring some lovin' here today - Ya
わかるかい 僕らは解決策を見つけなければならない 
いくばくかの愛をこの世界に 今日取り戻すため
 
Father, father
We don't need to escalate
You see, war is not the answer
For only love can conquer hate
大勢の父親たちよ
僕たちはしたくない これいじょう激しい戦いは
わからない? 戦争は答えじゃない
ただ愛のみが 憎しみを克服できるのさ
 
You know we've got to find a way
To bring some lovin' here today
わかるだろう 僕たちは見つけなければならない 道を
もたらすために いくつかの愛を ここに 今日 
 
Picket lines and picket signs
Don't punish me with brutality
Talk to me, so you can see
ピケライン ピケサイン(注1)
僕を罰しないで 乱暴なやり方で
僕と話してほしい そうすれば理解できるはず
Oh, what's going on
What's going on
Ya, what's going on
Ah, what's going on
何が起きているのかを
いま何が起こっているのかを
 
Mother, mother, everybody thinks we're wrong
Oh, but who are they to judge us
Simply because our hair is long 
母たちよ
世間は思っている 僕らのやっている反戦運動は間違っていると
けれど誰だというの 僕らを裁けるのは
デモ隊の髪が長いというだけの理由で 
 
Oh, you know we've got to find a way
To bring some understanding here today
Oh
わかるだろう 僕たちは見つけなければならない 打開する道を
わずかでも和解を今 この世界にもたらすため
 
Picket lines and picket signs
Don't punish me with brutality
Talk to me
So you can see 
ピケライン ピケサイン
僕を罰しないで 残虐な方法で
互いに話すんだ
そうすれば僕らは理解しあえる 
What's going on
Ya, what's going on
何が起きているのかを
何がいま起こっているのかを
 
Tell me what's going on
I'll tell you what's going on - Uh
Right on baby
Right on baby
言ってくれ 何が起きているのかを
僕があなたに話そう 何が起きているのかを
そう そのとおり
 
注1:ピケラインとはストやデモで、メンバーが勝手に抜けないように監視するラインのこと。ピケサインはそのプラカード。あるいは本来の意味で、軍の隊列と、その標識と取れば、軍の規律の批判ということになる。
 
ベトナム反戦そのものというより、そのデモのあり方や、世間との軋轢、さらには実父との確執も、歌いこまれているようにも聞こえる。罰するのは、偉そうな上の連中、それとも父・・・。そしてその父が、後に実際に、マーヴィンの命を奪う。
その波乱の生涯を説明するため、ウィキペディアを引用する。

「地元の教会聖歌隊に参加したことがシンガーとしての第一歩である。歌と同時にピアノドラムといった、いくつかの楽器の演奏技術も習得し、音楽の下地を養った。しかし、音楽に没頭するきっかけは、厳格な父による躾の範囲を越えた精神的虐待であった。これが後の彼の人生にトラウマとして遺ることとなった。

1971年1月、シングル「ホワッツ・ゴーイン・オン[2]を発表。この曲の成功を受けて、同年5月に同名のアルバム『ホワッツ・ゴーイン・オン』を発表する。華麗で美しい楽曲と隙のない緻密なアレンジによる音楽性は絶賛を受け、シングル・カットされた「マーシー・マーシー・ミー[3]もヒットを記録する。アルバムには他に「インナー・シティ・ブルース」[4]が収録されていた。音楽以上に人々に衝撃を与えたのは、このアルバムがベトナム戦争や公害、貧困といった社会問題を取り上げた歌詞と、それに対する苦悩を赤裸々に表現したマーヴィンの歌唱であった。当時、シングル盤が中心であった黒人音楽の世界に、一つのテーマ、特に社会情勢などを元にしたコンセプト・アルバムを制作することは画期的なことだった。

一度は破産などのどん底の状態にあったマーヴィンではあったが、彼の才能を惜しむ後援者が積極的に援助に回ってくれたことがきっかけとなり、途切れがちだった音楽活動も徐々に復調し始めた。1980年モントルーでのライヴを皮切りに、1982年には移籍したCBSコロムビアより『ミッドナイト・ラヴ』をリリースする。ドイツミュンヘンにてレコーディングがおこなわれ、シンセサイザーを使用した本作は発表と同時に評判を呼び、シングルカットされた「セクシャル・ヒーリング」も全米シングルチャートの3位を記録するヒットとなった。翌1983年には、マイケル・ジャクソンスティーヴィー・ワンダーらを抑え、グラミー賞を受賞するなど健在振りを見せつけた。しかし、彼のキャリアで最大の成功を収めた本作が遺作となった。

1984年4月1日の12時半頃、自宅で両親の喧嘩を仲裁した際に父マーヴィン・シニアと口論になり、激昂した父が拳銃を発砲、至近距離から放たれた2発の弾がそれぞれ胸部と肩に命中し、病院に運ばれる前に死亡した。その日はマーヴィンの45回目の誕生日の前日だった。また、父が使用した拳銃は生前に息子からプレゼントされたものであった。」

I respect you, Marvin.

I will always stand by your side.

 

ホワッツ・ゴーイン・オン

ホワッツ・ゴーイン・オン

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